ボビンケース物語
裾引きについて
ロックミシンで行う内外カーブ、角縫い
テフロン押さえって
職業用で皮革を縫う
テフロンを削って、ポケットの内縫い
  ボタンホール
職業用でベルベットを縫う
工業用薄物用送り歯
SUISEI バイアスバインダー
バイアスバインダー(カノコラッパ)
2,5o押さえをテフロン加工
ニット縫製、職業用ミシンで
  薄地縫いに関して
 

ボタンホール

     
ボタンホールについて・・・    
     

職業用ボタンホール機・工業用ボタンホール機・家庭用ミシン(ボタンホール模様)

     

<ボタンホール>に付いて考察します。

(1) 「工業用ボタンホール専用機」

当然の事ながら「既製品」のボタンホールは全てこれで製作されています。
只、機械本体は数百万円(ネムリだけの機械でも70万円程度から)するものもあり、
設置の問題から云っても、中小規模のアパレル事務所でも維持が難しく、あまり見かける事はありません。
とは言え、ホームソーイングにおきましても、<ジャケット>以上は
この機械での製作でなければ作品そのもののクォリティが下がってしまうと思います。
つまり、安っぽい仕上がりになってしまうわけです。
よって、上質な作品の仕上がりをご希望なら、この機械を使用している専門業者に依頼をなさるべきですね。
各都市には業者が散在しており、持ち込みでホール(ボタン穴)一つを¥200〜程度で請負ってくれるはずです。
現在はインターネットで扱う業者もありますから、一度依頼してみると宜しいでしょう。
都内で、アパレル専門学校生がよく利用している業者さんを紹介してみます。
「内田産業株式会社」   「AMホールズ」

(2) 「職業用ボタンホール器」

シュプール、ヌーベル等「職業用ミシン」に設置して使用する<部品>です。
BROTHER(株)が販売しているもので、アパレルの学生達は課題の制作にこれを使用します。
この部品の仕上がりの限界は、家庭縫製におけるシャツ、ブラウス程度まででしょうか。
よく、この部品の仕上がりよりも「家庭用コンピューターミシン」によるボタンホール仕上がりの方が
美しいのではないか等というご質問をいただきますが、これはまず ”どんぐりの背比べ” といったところです。
※ brother 職業用ボタンホール器
  本体 ¥7,600
   ハトメコマ ― 1.6cm、 1.8cm、 2.1cm、 2.4cm
   ネムリコマ ― 1.0cm、 1.3cm、 1.6cm、 1.8cm、 2.1cm
  コマは、各サイズ共¥600です。

(3) 「家庭用ミシン」<ボタンホール模様>

「家庭用ミシン」においては、コンピューターミシンで製作されたボタンホールが最も美しく、又、機能操作も容易です。
ギアでの操作(「電子ミシン」)とIC基盤でのそれが大きく差となるのはこういうところなのです。
只、<仕上がり>に対する美意識は各人様各様ですから、カタログの記載等を信用なさらず、
何処かの店頭で試し縫いをなさることを強くお薦めいたしたいと思います。

     
<職業用ボタンホール器>について考察します 。
     

 

brother 職業用ボタンホール器(B−6TA)のセットです。
※ セット内容:本体\7,600 x 1個、
ハトメ駒 x 2枚 (1.6cm、 2.4cm)
ネムリ駒 x 3枚 (1.0cm、 1.6cm、 2.1cm)
定価¥10,600 別サイズとして、ハトメ駒 (1.8cm、 2.1cm)、
ネムリ駒 (1.3cm、 1.8cm) があります。
各サイズ共定価¥600です。
他のサイズは製造されていないようです。

 

 

 

これと同等の部品がルビー製品等にもあるのですが、現在市場に出回りません。
仕上がりの問題が原因かと思われます。
この部品は、「職業用ミシン」専用です。
「工業用ミシン」にも使用は可能ですが、針止めネジの交換が必要です。
又、高速で使用すると故障につながりますから、中低速での使用を心がけてください。

     
  <本体>
プラスティック製の部品ですから、「職業用ミシン」本体ほどの耐久性はない
はずです。
「工業用ボタンホールミシン」の<間に合わせ>と考えてください。
この部品である程度の仕上がりが得られればといったところですね。
     

セットの場合、通常は1.0cmのネムリ駒(シャツ穴ですね)が入っていますので、取り替えてみます。
スプーン(取替え器具)を駒の下部に差し込み引き抜きます。

     

 

ここで最も大きな ※注意事項!!
駒を外して内部が空になった状態では、絶対に!上部のダイヤルを回してはいけません。
中のギヤが空回りして<故障>となります。
(それ以上触れなければ、ご自身で修理が
可能です。販売店へすぐ電話をしてください。)

     

よって、駒を外したら<即時>他の駒を入れておきます。
後はダイヤルを回して、スタート地点に設定しておきましょう。

     

 

次に、ミシン本体の送り(歯)にカバーをします。
その前に、送り歯が下がる機能を持つ本体なら、下げておいてください。
尚、送り歯を下げただけでは、薄物等では<送りが生地の邪魔をする>場合があります。 ホールがゆがんでしまうのですね。
完璧を期してカバーは必ず装着します。
カバーはドライバーを使用してしっかりと装着します。
これが甘いと作動時にカヴァーがずれ、針折れの原因となり他のトラブルをも誘引しかねません。

     

     

さあ、押さえを外して、いよいよボタンホール器を本体に装着。
部品のアームを針止めネジに噛ませ、あとは押え棒にネジで取り付ければOK!
ここで、無理やりは厳禁です。
部品は真っ直ぐに入っていきません。少し角度を付けると、抵抗無く後ろからスムーズに入ります。

     

後は縫うだけ。
ここで気をつけなくてはいけないこと。
「職業用ミシン」は<直線専用>ミシンですから、
ジグザグで縫うわけではありません。
生地が左右に動くことによりジグザグが形成されるわけです。
ですから、生地を手で強く押さえ、布の動きを邪魔しないこと。
ホールが歪んでしまいますよ。

 

 

 

 

ハトメ(鳩目―片側が鳩の目玉のようにまん丸だから。

 

ネムリメ(眠り目―その通りの表記です)。

 

     

各幅は3段階に変更可。一度縫いと二度縫いをしてみました。
※ スピードを一定にして一気に仕上げます
途中で休んだりしないのが、きれいに上げるコツかな。